『『よっこいしょーっ!』』





梓と誠の掛け声が同時に聞こえる。
振り向くとそこには、


本物のネコみたいに丸くなって
気持ち良さそうに眠る
男の子の姿があった。





どこぞのヤンキー?
と思わせるくらいに、
脱色された白に近い金髪。
その髪は傷みを知らず、
自毛なんじゃないか。
と思わせる程綺麗で、
襟足は長かった。



白くてきめ細かい肌。
整った形の眉毛に、
目をつむっていても分かるくらいに
クッキリと入った二重の線。
すぅっと高くて整った鼻。
薄くてぷっくりとした唇。





その辺の女の子なんかよりも
絶対に綺麗だと思った。





横顔だけでも、あまりに綺麗で
可愛すぎて、思わず見とれてしまう。





…………。
いつから起きていたのだろう。





低く透き通った声が聞こえた。