「ここ!?」

城崎の家はまさに城。豪邸だった。

「そうだよ?言ってなかったけど、うちのパパお医者さんなんだ。外科医」

「お前可愛くて医者の娘ってすごい女子高生だな」

「いいから入って」

ガチャッ

「お邪魔します」


「あら?姫華、その子は?」

玄関には授業参観みたいな格好をした美人のマダムが

「ママ、この人。この前言ったあたしの彼。桜井光司君」

「そう。こんにちは」

「あぁ、はい、こんにちは」

「桜井君はね、クラスでも成績トップでギターがすっごく上手いの」

「いや・・・そんな・・・」

一応否定しておく

「あら~そうなの?じゃあゆっくりしてってくださいね。後でお茶菓子を持っていくから」

「あ、いえお構いなく」

「うふふ、遠慮しないで」

「そうだよ桜井君」




城崎の部屋はまるで絵本のお姫様みたい。山ほどあるぬいぐるみ、ふりふりのカーテン、ピンクの壁紙

「可愛い部屋じゃん」

「そう?前に友達が来た時は引かれたけど」

「俺はいいと思う」

「ありがと」



「そういえばさ」

城崎が突然顔を曇らせた