剣道場への帰り道

城崎がポツリと言った

「付き合っちゃおっか」



???



「は?」

「付き合ってって言ってるの」

「え?なんで?」

やっぱさっきのは気のせいじゃなかったのか?つーかもしマジだとしたら俺のどこに惚れたんだ

「ギター弾いてる時の桜井君、カッコイイよ。ここ何日か青木君がいなくてもしっかり仕切ってくれてるしさ」

「なんかよくわかないけど・・・」

「とにかく付き合ってください!ね?」

城崎は軽い感じで言ってるものの真っ赤にした顔は少しこわばっていた。

「いいけど。いやむしろ俺なんかでいいの?」

「桜井君がいいの」




こうして恋人二人だけのバンド・princessが始まった。




「ねえ今日あたしの家こない?」

「え、でも親いるだろ。練習なんて・・・」

「練習じゃないよ。デート。付き合ってから一週間経つけど・・・毎日毎日練習だけじゃ付き合う前と変わらないじゃない?」

「わかったよ、じゃあお邪魔するよ」