グラウンドではサッカー部が顧問に集められて怒られている。なにしでかしたんだろ
どうでもいいけど女子と二人で歩くなんてなんか恥ずかしい。
ほんとどうでもいいけど


「ねえなんか恋人みたいだね」

何言ってんだこいつ

「変な冗談やめろよ」

「冗談じゃなかったりして」

・・・

「やめろって」

「桜井君さ、青木君いなくてもすごい頑張ってるし・・・あたしすごいなって思うよ」

「そう」

「来ればいいね。青木君」

「あぁ」

その時城崎の手が俺の手に触れた。気のせい？
いや気のせいじゃないな。確認したいけど、なんか。
なんだろ、なんで？　気まずくするなよ。なんて話せばいいのかわかんないじゃん。いや、このまま話さないでいてもいいんだよな、別に

「桜井君どれ飲むー？」

そうこう考えてるうちに食堂の自販機の前に着いた。城崎の手も離れていた。気のせいだった。きっと。

「え・・・俺はコーラ」

「コーラ？ちゃんと見てよぉ！コーラなんてないでしょ」

ほんとだ。コーラない。ヤバイ俺、動揺してる？悟られたかな

「じゃあその・・・オレンジジュース」

「おーけー」

可愛い女ってこういう男が勘違いするようなこと平気でやるんだから。俺はそこらのアホとは違うし、第一城崎とか興味ない。綺麗すぎる。俺にはもったいないよな