青木のギターはとても上手いと言えたものじゃなかった。
俺との差は歴然。もちろんそんなこと口には出せなかったが

「ねーねーどうだった?姫華ちゃん!正直に言っちゃっていいよ!どっち?どっち?」

青木の顔は自信に満ちているが、城崎はかなり戸惑っている

「あの・・・ね・・・これはあたしの主観でしかないんだけど・・・桜井君のほうが上手かった・・・かな・・・」

「え・・・」

「青木君・・・ドラムやってもらえる?」

「あぁ・・・うん・・・。ま、まぁちょうどドラムとかやってみたかったしね!ギターとかぶっちゃけまだやって数ヶ月だったしオッケーオッケー!」


俺は何も言えなかった

「じゃあ次あたしが歌うね。」





城崎の歌声は美しかった。声量があるわけじゃないし、か細い感じだったけど・・・「綺麗」だった。



「めっちゃよかったーさいこー姫華ちゃ~ん」

青木がパチパチ拍手をしながら城崎に近づいた

「ほんと?うれしいな。。。ね、ねえ!桜井君はどうだった?」

「・・・え?」

俺は感動のあまり何を言おうか迷った

「よくなかったかな・・・?」

「そんなことないよ!すごいなんていうか・・・なんだろ・・・」

「言葉に出来ないくらい上手いってことだよな!」

青木、その通りだ

「うん、そうそう。城崎さん上手いよ本当、驚いた」

「ありがとう・・・これから三人で頑張っていこうね」