「桜井~~~!こっちこっちぃ~~~!」

バンドの話を持ち出されてから3日後、そこには廃れた剣道場があった。

「おい、青木・・・ここ剣道場だぞ?バンドとか・・・」

「ふっふっふ~♪ここはもう誰も使いません!見ての通りボッロボロだからね~。」

「え?でも剣道部員は・・・?」

「えーお前聞いてない系?最近新設されたんだってよー校門のほうに小奇麗な建物あったでしょ?」

「・・・・え?あれって・・・あれ剣道場だったんだ・・・」

「だからここは今日から俺達の物。正式な部活としてはまだ認められてないんだけど、とりあえず使っていいってことになったわけよ」

「そうか・・・」

「でーとりあえず桜井はギターやるって話なんで機材用意しときました」

「え!?どうやって?」

「だって俺もギターだもーん。かっちょいいよねー」

青木もやってたんだ。
俺より上手いのかな

「でー一つ困りごとなんだけどさー・・・」

青木は金髪を掻きむしる

「え・・・?何?」

「ドラマーがいないのよ!ドラマーって縁の下の力持ちっていうか・・・まずいなきゃ始まらないじゃん?」

「そんなの・・・お前いっぱい友達いるんだからなんとかなるだろ」

「いやそーもいかないのよねー・・・部活だけは。ほとんど野球とかサッカーに流れちゃってどうにも・・・」

「そうか・・・つーかボーカルはどうなのよ?ちゃんといるのか?」

「あぁ。隣のクラスの城崎姫華ちゃんっていうね、すっごい可愛い子!」

「まーた漫画みたいな名前だな。歌うまいの?」

「もうすぐ来るからわかると思う。すぐ合わせてみようぜ」

「え?今?」



「遅れてごめんなさ~い」