「よくできましたっ」
拓馬くんは目を
細く弧のようにして
笑うと
私の頭を手でくしゃっとした。

ふと思う。
私は初めて
生まれて初めて
男の人を下の名前で呼んだ。
恥ずかしがり屋で
なかなか男の子と
しゃべれなかったから
初めてなのだ。