乾杯。

あっ!

キミが言う。

「なに?」

「12時、過ぎちゃった…」

華奢な腕にはまっている時計を見ながら
キミが言う。

「だから、今乾杯したじゃん?」

オレは言う。

うぅん
キミはかぶりをふる。

「じゃなくて…」

キミは曖昧にする


沈黙…



「だって今日、
アコちゃんの誕生日でしょ?!
私といていいの?」


アコ…


アコとは腐れ縁みたいなもので、
互いの誕生日も忘れているくらいだった。

そうか陽と同じ誕生日なんだ。
なんでか釈にさわる。

それを陽に言われたからか、
言われる前に自分が気付かなかったからか…

果たして陽とアコが同じ誕生日だったからか。