外に出ると小雨が降っていた。
また雨か…
キミと会う時はいつも雨。
さっきまであんなに晴れていたのに。

「私、雨女みたい」

オレの心中を見透かすようにキミが呟く。


「陽、オレの話をちゃんと聞いてくれる?」


覗きこんだキミの瞳が
雨のせいなのか濡れている。

うん

とキミは小さく言う。

繋いだ手はそのままに、
二人きりになれる場所へ行った。

といってもカラオケだけど…
部屋に入ってもキミは固くなったままだ。

でさ、

とオレは口を開く。

「陽の話は分かった。

けど、オレのこの陽への気持ちは
どうしたらいいの?」

キミは黙ったまま。

「オレが陽のことを好きになったのは
マサに頼まれた陽の行動のせいじゃない
からね?陽は自分のせいでアコが悲しんでいると
思っているかもしれないけれど、
それは陽とは関係がなくて、
オレの中で決めた答えだから、
陽は気にしないで自分の気持ちを言ってほしい」

キミの肩が震えている。

「私、隼人くんの気持ちを受け止める
自信がない…
前にも言ったと思うけど、
人を好きになるのが今はこわいし…

どんなにか隼人くんのことを
私も好きって言えたら楽だろうって
考えることはあるけど・・」


思わずキミを抱きしめた。


細い背中を優しくさすった。