近くのカフェに入る。

席に着いてキミがいきなり謝る。

「ごめんなさい」

「何?」

「連絡とらなかったこととか
色々ごめんなさい。」

「もういいよ。
こうしてまた会えたんだし。
連絡しなかったのはマサに
止められてたからだろ?」

ううん

キミは首をふる。

「謝らないといけないのは
それだけじゃないの。」

どういうこと?

「実は私、マサとは付き合ってなかったの。
二人で騙してごめんなさい。」

え?話がよく分からないんだけど…

今にもキミは泣き出しそうだ。

「落ち着いて話してくれないかな?」

コーヒーにオレは口をつける。

「陽もそれ飲んで、ゆっくり話して」

とキミのミルクティーを指差す。

キミは一口カップに口をつけると
一つ深呼吸をして話し出す。

「私、とても後悔しているの。
マサに話を持ち掛けられた時、
どうしても断れない事情があって、
マサと付き合ってるってことにしたの」

「断れない事情って?」

キミはまた首をふる。

「ごめんなさい、
それは今は言えない…」

「じゃあ何でマサは
陽に嘘をつくように言ったの?」

それは…

とキミはカップの淵を指で
行ったり来たりなぞっている。

「アコちゃん…」

とキミは小さく呟く。