そのまま新宿へ向かう。

昼下がりの電車はいつもより人が多い。

あ、今日は土曜日か。

この仕事をしていると曜日感覚が麻痺してくる。

待ち合わせ場所に時間より少し早く着いた。

緊張のせいかやたら喉が渇く。

向かいの道から一際目立つキミが
人混みをかき分けて走ってきた。


「ごめんね、待たせた?」

少し息があがっている。

あの日と変わりない笑顔が
やわらかな秋の陽射しと共に溢れる。
もうそれだけでオレの心は満たされていく。


陽―――


やっと会えた。