気付いたら姉の部屋をノックしていた。

「はい」

「あのさ、ちょっと話があるんだけど」

「珍しいじゃん」


オレはかいつまんで今までのオレと
陽の話をした。


ふーんと姉は言って、

「でも隼人だけ連絡とれないってことは
明らかに陽ちゃんに避けられてるわけ
でしょ?

男ならあきらめなさい。」

「なんだよ、話すんじゃなかったよ」

「だって、私に出来ることなんて
何もないよ?
陽ちゃんとは連絡はとれるけど、
あくまで元同僚としてだし。
隼人の姉としてはちょっと…」


ここで逃したら一生
陽に会えない気がした。


「お願い!」

とオレは顔の前で手を合わせる。


「香陽には迷惑かけないから。
ただなんでオレが避けられてるのか
知りたい。それが分かれば、
あっさりあきらめる」


「うーん、
て、隼人どうしちゃったの?
全然彼女もつくらないで、女なんて
とっかえひっかえだったのに?」

「分からないんだ、自分でも。
ただ陽だけは今までとは全然違う。
それだけは分かる。」