ふーんと

オレは大して興味のないふりをする。

心臓はバクバクだったけれど。

それを見透かすように
香陽が顔を近づける。


「近いよ」


「ねえ隼人、もしかして
陽ちゃん気になるの?」

にやにやしながら聞いてくる。

「別に」

テレビのリモコンを姉から奪い返して
チャンネルを変える。


「陽ちゃんか…」


何かを思い出すかのように
天井を見上げるのをオレは目の端で
捉える。

ふとテレビを眺めているオレを見て、



「ていうか先週陽ちゃんと
ご飯食べたし。」



「うそ!」




思わず姉を振り返る。


「ふふ やっぱりねー」



と香陽は不敵な笑みを浮かべて言う。