「隼人の好きな人、知ってる」

泣いていた顔をあげてアコが
オレを見上げる。


え?


「いや、知るわけないし」





「陽ちゃんでしょ?」



動揺を隠して聞く。

「なんで?」





「なんとなく」




ふーんとオレは興味なさそうに
答える。


「私の誕生日以来、隼人の様子が
おかしいし、連絡もくれないし、
何かあったんだとは思ってた。
最悪の事態は覚悟してたけど、
本当だったなんて…

もう隼人なんか大嫌い!」



そう言ってアコはまた泣き出した。