地元に着いてじゃあと手をあげたら

アコが突然しゃがみこんだ。

肩が震えている。


「昨日寝ないで隼人からの電話待ってたのに…」

道行く人が見ている。


「ちょっとアコどうしたの?」

「知ってるんだよ?」

「何を?」

少し焦る。

「昨日みんなで飲んでたんでしょ?」

「あぁそのこと?
だっておまえも誘われたんだろ?」

「ううん、誘われてない。
私今日誕生日なのに…」

多分何かの手違いで、アコには
連絡がいかなかったんだろう。

アコはまだうずくまっている。


同じ誕生日でも陽とは大違いだ。