ちょっと戸惑いながらキミは小さく頷く。

「でもそれが隼人くんの望む答えが
出るとは限らないよ。」

そう言いながら。


最初から急行に乗ったので、
東京までの電車はあっという間だった。

寂しくて仕方なくて、隣で眠るキミをみていたら
また一睡も出来なかった。

現実に引き戻されていくこの電車。
行きはよいよい帰りはなんとかだ。


新宿に着いて人の多さに面食らう。
たった半日離れていただけなのに。

まだ一緒にいたい気持ちを押さえながら
キミが帰る改札まで送る。

「今日は素敵な誕生日をありがとう」

にっこり微笑むキミ。

「あ、そうだ連絡先、」

と言ってケータイを出したら死んでた。

じゃあと言ってキミが耳元でアドレスを繰り返す。

「覚えた?」

復唱する。