キミはオレの胸を押さえて少し後ずさりする。

無言で長身のオレを見上げるキミ。

何か言いたそうに、
澄んだ瞳でキミは言うんだ。

「ごめんね。」

…。
こんな唐突に言われても困るよな。
半ば予想はしてた答えだけど。。

「隼人くんのことは人として好き。だけど…」

「だけど?
マサ?」


「ううん」

キミは首をふる。

「人をどうやって愛したらいいか今は分からない」

泣き出しそうなキミに申し訳なくなって、
もう一度抱きしめる。

「ごめん、嘘。」

っていうのも嘘だけど…

「嘘じゃないけど今は陽のこと困らせたくないから
聞かなかったことにして。」

ねえ?何があったの?

でもこのタイミングでは聞けない。

「ゆっくりでいいから、本当にゆっくりでいいから
オレのことちゃんとみてくれないかな?」