休憩室に先に戻ると、
しばらくしてキミが戻ってきた。

さっきまでおろしていた髪を無造作に
結い上げて、浴衣の前をしっかり握っている。
少し上気した頬で、恥ずかしそうに
部屋に入ってきた。

なんだかこちらが恥ずかしくなる。

こんなドキドキするなんて。


「はぁ すごくさっぱりした。
気持ちよかったね」

「おう気持ちよかったな」

「なんだか25年分の垢がとれたみたい」

「はは、大袈裟だな」


外はまた雨が降り出してきたようだ。
雨の音を聞いていたら、
眠くなってきた。

さすがに一睡もしていない身には堪える。

座布団を縦に四枚ずつ並べた。
机を挟んで。

横になる。

しばらく雨音を聞きながら、
仰向けで寝ているキミの
規則正しく上下する胸を見ていた。

たまらずキミの方へ手を伸ばし、
その腕をとった。

「陽?」

「ん?」

「繋いでいていい?」

「うん」

やがて吸い込まれるように
オレは眠りに落ちた。