「今だけなのかこの先ずっとなのか分からないけれど、
もう人を好きになれないかもしれない」

と。

「お待たせしました。」

運ばれてきたサンドウィッチにキミは手を伸ばす。

「いただきます。
お腹すいちゃった。
隼人くんも食べよう?」

今までの重たい空気が一瞬でなくなった。
それはキミがもうこれ以上その話はしたくない
ということの静かな拒絶。

今のオレはキミの事をなんでも知りたいのに…

外に出ると小雨はやんでいた。

「さていよいよ本題行きますかぁ!」

空元気に、でも悟られないようにオレは叫ぶ。

隣りで笑うキミ。

あの頃のオレが羨ましいよ。

再び電車に乗り箱根に着く。