二人で階段に座って
オレはたばこに火をつける。

上に向かって煙をはきだしながら仰いだビル。
隙間から光が差し込み始めている。
もうすぐ街も動き出すかな。

「お誕生日の陽は今日はどうするの?」

「んー?
特に何もないよ。」

と眩しそうに笑う。

「マサは?」

出したくない名前をオレはわざと口にする。

「仕事だし、特に月曜日は毎週忙しくて午前様みたいよ」

ふーん

なんて余裕ぶってたけど
かなりドキドキしてた。

「じゃあ今日はお祝いしてあげる」

「え?だって昨日からずっとお祝いしてもらってるし」

がんばれオレ。

「ちょっとゆっくりしたくない?昨日も寝てないし。」

まずい、これじゃ
ホテルに誘ってるみたいじゃないかオレ。

キミが怪訝な顔で見る。

「や!今変な想像したでしょ?」

キミをからかうフリをする

「ん?」と首を傾けるキミ。

「連れの彼女に手出すわけないだろ?
とにかく温泉行こうぜ」

なんの「とにかく」なのか分からなかったけど…