店を出たオレたちは駅へ向かう。

雨はあがっていた。

八月の朝の空は
今にも泣きだしそうだ。

駅までの足取りがやたら重い。
キミもオレも無言だ。

昨日の夜から飲み続けたから?

いや。

キミをこのまま帰せない。
だって今度はいつキミに会えるか分からない。
次の約束はない。

駅が見えてきたところで
思いきって口を開く。

「ちょっとそこで休憩しない?」

広場の階段を指差す。

もうすぐにでも電車に乗れるのに、休憩って…

こんな不器用なオレ、

初めてだ。

まいったな
キミには調子狂わされっぱなし。