「まもなくKA病院へ到着します」


「えっ・・・Z病院じゃないのですか」


「はいKA病院です」


「わかりました」

なんということだ。

Z病院へ転送すると言ったじゃないか。

思うに警察からの救助要請で院長がパニックになり緊急連絡先カード(障害者手帳に入っていた)を見て慌てて私に言ったのでしょう。

結局はKA病院の方がZ病院よりもかなり近く時間的に急ぐのでKA病院にしたのでしょう。

(M市の救急隊員は院長に障害者手帳を知らせていたのか?)




私は急いでZ病院とは方向がまったく反対のKA病院へ車の向きをかえ急ぎました。

しかしながら、どんどん時間ばかりが過ぎていき焦ります。





「頼む、頼むから命が持ってくれ」

必死で念じながら向かいます。




私の顔が苦しい表情になっているのが自分でもわかります。




そしてKA病院へ到着するとすぐに家内の居る処置室に向かいました。