「今日の目的はお姉さんの名前を聞くこと!」

元気な声だ。

「絶対言わない」

「えー、なんで?」

「言わない!」

なんか初めて私が優位?

「俺の名前だけ知ってるなんてずるいよ」

悔しそうな顔にちょと気分が良い。

「サカイダ ケイゴ、でしょ。サカイダケイゴ」

得意気に言った。

「やったぁ、俺の名前覚えててくれたんだ。フルネームで!」

「えっ・・・」

やられた。

「俺、超満足。じゃあ、いってらっしゃい」

ヒラヒラと手を振る圭吾。