翌朝もいつもと同じ8時15分に家を出た。

昨日あれだけ言ったから今日は大丈夫なはず。

でも、いるかもなあ。

はぁ。

気が重い。

なんで私がこんな思いをしなきゃいけないの?

あんな子供に振り回されているのが嫌になってきた。

外に出ると案の定圭吾はいた。

「おはようございます!!」

「あー、おはようございます。もういい?」

必要以上にめんどくさい感を声にのせ、精一杯にらんだ。

「いいよー。やっぱ人間あいさつから始めないとね」

満足気にうなずく彼。

「始めるって何よ。始まらないよ」

「始まるよ」

初めて笑顔じゃない真剣な顔を見せて言った。

「なっ、何言ってるのバッカじゃない」

圭吾は楽しそうに笑っていた。

「何笑ってるのっ?あんたみたいな子供には付き合いきれないから」

はき捨てて早足で歩き出した。