「柴田さん?」

彩と私は声をそろえて聞いた。

「あっ、違う、違う。あの・・・」

沙織があたふたしている。

「違うのー、ちょっと、ちょっとだけいい人だなーっていうだけで・・・」

いつもは割りと冷静な沙織のこんな姿初めて見る。

「そういえば私達ずっと彼氏いないよね。まず、沙織が幸せになってよ。そしたら彩も私もそれに続くから」

「そうよ、私、柴田さんのリサーチしとくよ。まず、彼女がいないか調べないと」

張り切る彩。

沙織は恥ずかしそうに首をぶんぶん振っていたが、

「・・・お願い」

と小さな声で言った。

かわいいな沙織。

恋愛の事、それもこういう初期が女の子同士の一番楽しい話だ。

うまくいくといいな。