「…ーっ、」 涙で彼の顔が見えない。 「…紗衣…夢.叶えろよ!!」 ねぇ、今どんな顔してるの? 泣いてるの? 「恭…汰?(キョウタ)」 あまりにも、 いつもと声が違うから。 「………また…またなっ!!」 彼はいつだって分かっていたんだ。 本当はね、 こんな別れ方がしたかったわけじゃないってことを。 そして何より… 彼が言ってくれた言葉が 私の胸を熱くした。 『さよなら』 じゃなくて… 『またな』って。