窓からそっと、
外を見つめる。



彼の表情が気になって
しまうから。




その瞬間ー、




「紗衣(サエ)〜」




確かに彼はそう言った。


飛行機の中がうるさすぎて
声なんて聞こえないけど、


確かに口元がそう動いたんだ。





気持ちが高鳴って、




私は飛行機を飛び出した。