「………紘さん?」

背中に琥太郎の声が聞こえた。

「ごめんね、…ゴホッ…起こしちゃったね?ゴホッ…。」


慌ててタオルを隠して、振り向く。

「大丈夫?」

心配そうに、隣にしゃがんで背中を擦ってくれる。

暖かい手…。


「ゴホッ…。うん。
今、薬飲んだから…ゴホッ…もう治まるよ?」

心配かけないようにと気丈に振る舞う。

「無理しないで…。」

私を包み込むようにして、背中を擦っていてくれる。


琥太郎の胸の中は落ち着くね…。

目を閉じて、琥太郎の優しさに甘える。