まだ出勤までには時間があったので、大事な話があると呼び止め、

リビングのソファーに座らせた。

「…どうしたんだ?」

こうやって…話をすること自体が久しぶりだった。

久しぶりで…こんな内容なんてね。



「前に…検査をしたでしょう?

その結果を昨日聞いてきたの。」

旦那は黙って聞いている。

「…私ね、癌らしいの。
肺癌。

先生ははっきり言わなかったんだけど…。

あと三ヶ月ぐらいだって…。」

こんなに重い内容なのに…この人には、淡々と伝えられる。