でも、そんな相手の思いなんか慮れる余裕なんてなかった。 一番大切なものを失ったんだ。 しかも、こんなに時間がたってから知らされる事実。 受け入れられるわけがない。 そんなに俺は、利口にできてない。 「最後を看取れた貴方に…俺の今の気持ちなんかわかるわけがない。 簡単に、乗り越えろとか… 無理ですよ。 無理ですよ…。」 涙すら出ない。 相手が俺よりもずっと大人に見えて、 腹さえ立ってきた。