「…どこに行くつもりだ?」

廊下にたどり着くと、上から声が聞こえた。


見上げると…竹条先生が立っていた。


「…トイレに。。」


…………。

「トイレに行きたければ、ナースコールを押すんだな。

しかも、点滴ははずさなくていい。」

怒りを帯びた…冷たい声。


「…俺が連れてってやるよ。」

そう言うと、私を抱きかかえ、車イスに乗せた。

「…トイレでいいんだな?」

目の前でしゃがみこみ、私の顔を見てくる。

私は…下を向いたまま、先生の方が見れなかった。

「…ごめんなさい。」