今は家に帰る帰り道。




「つぼみ?」


不意に名前を呼ばれ振り返った。


なんで…



なんでここにいるの?



「優斗君?!どうして…仕事は?」



「スタジオにつぼみの姿が見えたから、終わってすぐに追いかけてきたんだ」



何言ってんのよ。



知ってるよ。



今日は夜までびっしり仕事がある事。


昨日の夜、お母さんの手帳に書いてあったもん。



「…てよ。戻ってよ!仕事ほおりなげてきて…」



「俺…つぼみが好きだよ」


優斗君は…ずるいよ。



こんな時にそんな事言うなんて…




「だから…仕事やめる事にしようと思う」


「へ…?……何言ってんの?」



「そうすれば、俺はずっとつぼみの傍に……つぼみの傍にいられるならなんだってす…」


パチン−…