今は家。
どうやって家に帰ってきたか分からない。
ただ分かるのは…これから何をしなくちゃいけないのか。
私は携帯を開いて、電話帳から名前をさがす。
優斗君のところで手をとめ、通話ボタンを押した。
もし、電話じゃなくて会って話したら、泣いてしまうと思ったから。
でも、電話でも優斗君の声は聞こえる。
『もしもし?』
この声を聞いた瞬間涙が溢れた。
泣いてるのがバレないように、声を出す。
「…優…斗君、私好きだよ、優斗君が。ずっと……でもね、それは世間は許してくれないみたい」
『つぼみ…?何言ってんだよ?!』
「ずっと大好きだったよ、ずっと、ずぅっと」
『俺もつぼみが好きだよ?!だから…』
ずっと大好きだった優しい優斗君の声。
私だけに向けられる声も笑顔も、もう私だけには向けられない。
「今までありがとう。そして…さようなら」
『お、おい!つぼ…』
私は一方的に電話を切った。