「つぼみちゃん、ここに座って……椎名さん、優斗、ちょっと二人にしてくれないか?」


「…はい」


優斗君とお母さんは社長室を後にした。



今、社長室に私と社長二人だけ。


重い沈黙がのしかかる。



でも、最初に言葉を出したのは私だった。


「ごめんなさい。私の不注意で…」


「優斗からしたことは知っている。さっき優斗が俺が悪いだからつぼみちゃんを責めないでくれって言ってきたんだ」


「優斗君が…?でも私の不注意でもあります。アルファと優斗君の人気を下げてしまうような事をしてすみませんでした」


机につくくらいに頭を下げた。


優斗君のせいじゃないよ。


私があの時思いを伝えてなかったら…


夢華と黒柳君の事があって、私も別れていれば…



こんな事にはならなかったかもしれない。


夢でなくてよかったって思ってたあの時…



本当に夢であればよかったのに…