場所は変わって私の家。
家の中には、私、シカ達、龍、マハ達、孫紛さん、黒次隊長である。黒次隊長が家にくるのが初めてである。龍とマハ達は何回かきたことがあるので、なんか落ち着いている。

「孫紛さん、黒次隊長…私の腕をつかんだのがノラ…なんですよね？」

気まずいこの空気の中で一番最初に口を開いたのは私だった。

「ええ…」

そう答えたのは、黒次隊長だった。暗いと言うよりはどこか寂しさを感じた。

「それにしてもなんで今になってノラは現れた訳？」

マハだった。急に口を開いたので少し驚いた。

「…今がピークなんだって」

孫紛さんが答えた。

「ピーク？」

「ええ…亜美の『サラキの目』の力のピークがちょうど今…らしいわ」

そう言われて、少しドキッとした。
言っていなかったが、私の首には『サラキの目』の力を全解放にならないように力を弱める首輪のようなものがある。それにヒビでもはいればそこから力が少しずつ漏れ出す。
首輪の状況がまさに、ヒビがはいっていて力が少しずつ漏れ出していた。