「おらの頭ん中さ、図書室にある本の知識、ぜーんぶ入ってんだぁ。まぁだわがんねが?おらぁこの校舎の一部であり、すべてなんだって。」
「はー。」
 生返事の憲治。「少女」は、またまたため息をつく。だが、その後には微笑みが零れた。
「ま、そうゆう賢ぐねぇあんだだがら、おらも嬉しがったんだどもな。この学校出ても、良ぐも悪ぐも忘れねぇでいてくれた。だがら、あんだにつきあう気になったんだァ…。」
 そう言って「少女」は踵を返し、再び体育館のほうへ歩き出す。その後に着いて、とにかく歩く憲治。「少女」の細い腰がフレアスカートを揺らす。