「あちゃー、嘆かわしいなヤ。一応は大学生だったんだベェ、あんだァ。」
 額に手をやり、ため息をつく「少女」。
「つまりだぁ、あんだの心の奥の奥にある、女性的な部分を総合して作り上げた『カタチ』が、おらの今の姿。それが中学校の中の、中学生の姿だっちゅうのは、あんだのトラウマが中学校で生まれてしまったと言うことと、無関係ではねえの。わがった?」
「はい…、たぶん。」
 しばしの沈黙、そして憲治が口を開く。
「…何で、そんなこと知ってんの?」