「性別は無し、か。何か複雑な気分だなぁ。」
 昼間の「少女」の水着姿を思う憲治。それを読んだのか、「少女」は悪戯な微笑みを浮かべた。
「あんだの場合はこの『カタチ』で固定した。あんだの『アニマ』の一つみたいなもんだ。」「あ、あにま…?」
 「少女」の口から飛び出した聞き慣れない言葉に憲治は面食らった。何のことやら、さっぱりである。
 「少女」は廊下の壁にもたれかかると、天井に目をやりながら、何かをそら諳んじている様な言い回しで話し始めた。