えっ、私、いま…
いま何て言ったの!?
「えっと…」
誤魔化さなくちゃ。
「栗原くんって…男の子が好きなの?」
隆司はますます驚いた顔をした。
私なに言ってるの!?
女嫌いだっていう隆司をもしかしたら男の子が好きなのかもって思ってたのは確かだけど…
面と向かって聞いちゃうなんて…。
「ううん。普通に女の子が好きだよ。」
隆司は私の質問に笑顔でこたえてくれた。
変なこと聞く私を
引かないでくれたんだ。
「そうなんだ。でも、ほら栗原くんモテるのに女の子からの告白いつも断ってるから…。男の子が好きなのかと思って…変なこと聞いてごめんね。」
「あはは、確かに。そうなると男が好きって思われてもおかしくないか。でも大丈夫。ちゃんと女の子が好きだよ。」
ちゃんと女の子が好き。…喜んでぃぃんだよね?とりあえず男が好きじゃなくてよかった。
「じゃあ、どうして告白いつも断っちゃうの?栗原くんに告白する子って可愛い子が多いのに。」
「あぁ〜、だってほら。その子とそこまで話したことなかったり、その子のことよく知りもしないのにいきなり付き合うのもどうかなって思うんだよね。俺、付き合うならその子のことちゃんと好きになってから付き合いたい。」
そう言う隆司。
やっぱり隆司は他の男子とは全然ちがう。
可愛い子だから付き合っちゃえばいいや。とか、ただ彼女がほしかったから付き合っちゃうみたいな妥協がない。
だからこんなにも大好きなの。
「栗原くんって考え方が大人だね。すごくかっこいい。」
「そんなことないって。普通だよ。」
「ねぇ、笹木恵美ちゃんと付き合ってるの?」
1番聞きたかったこと。気になるけどこわい。
「付き合ってないよ。何で?」
なんだあ よかった。
「そっか、ううん。何でもないの。」
「ふぅん。」
しばらく沈黙が続いた。