「なに…?高木くん、私今日急いでて…はやく帰りたいんだ。」
適当な嘘をつく。
「伊藤、さっき何か捨てようとしてたでしょ。」
「えっ、」
高木くんに見られてたんだ…。
「伊藤、好きな人いるっから俺のことふったんじゃないの?今日、そいつにチョコ渡たなくちゃ…」
「高木くんには関係ないじゃん!」
強く言ってしまった。
「確かに俺はふられちゃったし何も関係ないけど…そお言われちゃうとショックでかいな…。」
「ごめんなさい…。」
隆司のことでモヤモヤしてたからって高木くんに八つ当たりしちゃった。
「もう伊藤が俺のこと好きになってくれないって分かってるから…せめて力になってやりたい。」
高木くん…何でそんなに優しいの…。
「高木くん、ありがとう。ごめんね。」
私は溢れる涙をおさえられなかった。
「伊藤の好きな奴って隆司なんだろ?」
高木くんはそっと涙をふいてくれた。