長い長い沈黙。
どうしよう…
ちょっと気まずいかも。
沈黙をやぶったのは
隆司だった。
「あ、えっとじゃあ俺、帰るね。」
「ちょっと待って!」
思わず引き止めた。
このまま帰ったら
もう2人きりになれる機会なんてないかもしれない。
「栗原くんのアド…知りたいんだ。」
いまの私にはそれだけしか言えなかった。
「うん。OK」
隆司はメモ帳をとりだしてアドレスとケー番を書いてくれた。
「ありがとう。今日メールするね。」
「うん。じゃあね、伊藤さん。」
「ばいばい、栗原くん。」
私は強くそのメモ帳を握りしめた。