数日後、例の依頼人が三雲探偵事務所を訪れた。 ドアを叩かれ開けた瞬間、紘哉は思い切り顔をしかめた。 見たこともないような女性だったが、何故か彼は拒絶反応を起こした。 急きょ、その女性の対応は羽兎の役目となった。 「この間はすみません。気が動転していたもので……」 羽兎に接客用テーブルに案内され、彼女は開口一番そう言った。 「いえ、大丈夫ですよ」 羽兎は女性にお茶を淹れながら返答する。