「しまった!」

二人は大木の根元に駆け寄り、辺りを隈無く探す。
しかし、奴の声は上から降ってきた。

「甘いんだよ、君達は」

何故か怪盗仮面は、母屋の窓辺に立っていた。

「私はこれで失礼する」

そう言って怪盗仮面は、部屋の中へ姿を消した。

「早裕さん!あの部屋は!?」

「お母さんの部屋です!」

それを聞いた紘哉は、一目散に母屋へ駆け出した。