「でさ、何で中庭なの?」 羽兎が辺りを照らしながら聞いた。 懐中電灯の光があちこち動きまわる。 「ココが一番家全体を見渡しやすいからよ。 一応はーちゃん以外の部屋の電気はつけておいたし。 外の門もバッチリと閉めてきたし」 「……そこまでやったなら出てこないと思うけど」 彼女が苦笑いをしたその時。 「――フッ。それはどうかな?」