中庭は極めて単純な構造だった。 中庭の北側に大きな木が一本植わっている。 その一つの長く伸びた太い枝からはブランコがぶら下がっていた。 恐らく隼美が遊ぶものだろう。 その隣には犬小屋。 そして母屋と離れの壁の前には花壇があり、花が植わっていた。 外灯がないので美しくも薄暗い中庭だ。 その為、今日は各々懐中電灯を手に持っていた。