午後8時50分。 二人は時間通りに中庭に集まった。 「それにしても今日は月が綺麗だねー」 羽兎がほのぼのとした顔をする。 紘哉もつられて月を見る。 「そうだな。話によると今日は満月らしいぞ」 「へー」 「満月は人の心を惑わす。 満月の夜に告白すると大半が成功するらしい」 「……」 「その反面、光に惑わされ犯罪も急増する。 この事をフルムーン現象と――」