「仕事って?」

大学生が興味津々に聞いてくる。
今度は紘哉が怪訝な顔をする番となった。

「……聞いてどうするの?」

「別に。単なるキョーミ。チョコ好きな黒い男性が何してんのかと」

大学生はヒラヒラと手を振って答える。
少しイラッと来た紘哉は、皮肉を込めて言い返した。

「……探偵だ。まぁ、お前みたいにのうのうと人生を謳歌している様な学生とは、縁のない職業だ」