ブツブツ毒を吐きながら抹茶クッキーの砂糖を落としている大学生。
少しもったいない気がしてたまらなかった。

「……すいません。それ、いらないんですか?」

落ちる砂糖を見ていてもたってもいられなくなり、紘哉は声をかける。
いきなり声をかけられ、大学生は少しうろたえた。

「え?あ、はい。あ、ホラ、あれッスよ。
甘いモンのお供はやっぱ苦い方がいーじゃないッスか」

「そうですか?俺はそうとは思わないけどな」