「気になったんだけどさ、なんでこんな変な構造してるの?」

みんなが思ってるであろうことを、羽兎が単刀直入に訊いた。

「お父さんの趣味なのよ。
私の名字、知ってるよね?」

「確か……加々美さんだよね?」

「そうだよ。
『加々美(かがみ)』って『鏡(かがみ)』と読み方同じでしょ?
だからお父さんの遊び心でこんな家になったの」

「ほぅ……面白いな」

今度は紘哉が食いついた。