「やがて噂で紘哉くんが事務所を開いたと言う話を聞いた。
特に行こうとは思ってもなかったけど……どうやらお母さんが事務所を訪れたみたい」

「覚えてる?」

羽兎がそろそろと紘哉に問いかけた。
しかし、彼は首を横に振るだけだった。
早裕はさらに話を続ける。

「そこでね……お母さんも紘哉くんの事を好きになったみたい」

「……!」

一瞬にして紘哉の顔が青くなる。